May 29, 2011

Field Recording of Beginner’s Guide Pt 1:フィールドレコーディングのビギナーズガイド パート1



今回はDESIGNING SOUNDのField Recording, A Beginner’s Guide (Pt 1)の記事で取り上げられていた、ビギナーの為のフィールドレコーディングガイド、パート1についてアウトプットしていきます。

元記事、画像もこちらより。A Beginner’s Guide to Field Recording, Pt 1
※パート2の記事はこちら。Field Recording of Beginner’s Guide Pt 2:フィールドレコーディングのビギナーズガイド パート2

以下自身による記事翻訳
__

フィールドレコーディングは、多くのサウンドデザイナーとコンポーザーにとって、ダークアートのように思われている。しかし、オリジナル素材の貴重なライブラリーを作る方法の一つである。シンプルなガイダンスとアドバイスを通し、二つのチュートリアルで、あなたにフィールドレコーディングの簡単な紹介をする。
パート1では我々が探した機材、ヒント、セッション成功のコツ、レコーディングセッションのリハーサルについてみていく。
パート2では録音した素材のポストプロセスのテクニック、リベレーションシップ、そして一度スタジオに音素材を持って帰り、何をするかについて話していく。


ステップ1:フィールドレコーディングとは何か?
簡単に言えば、フィールドレコーディングとはリアルな世界から音をキャプチャーする過程であり、将来素材の分析、アーカイブ、サウンドデザイン、フォーリー、創作活動などで用いる。それらのサウンドレコーディングにおける過程は、シンプルなものから複雑なものまで様々に及ぶ。あなたが録音したい素材は計画されるもの(例えば銃器の録音) もしくは自然に発生するもの(例えば公共の場所での人混みの録音) もしくはその二つの組み合わせかもしれない。

ビギナーのレコーディングの認識で重要な事は、シンプルでも、もしくは複雑でも、あなたが思ったように出来ることだ。しかし、やる気をそぐ必要はなく、気軽に、簡単なセットアップで、簡単に近所を散歩をする事から始めるのだ。そうすれば結果はあなたを驚かせ、ライブラリーに加える独自の素材を見つけて、すぐに報われるだろう。


ステップ2:商売道具(録音機材)
最初のフィールドトリップの前、あなたはいくつか録音する装備を揃える必要がある。前述したように落胆したり、あなたが何千ドルの高価な装備なしに、プロダクティブレコーディングセッションを持てないのだと自身を説得する必要はない。
録音する事、そして録音する為に使うテクニックは、あなたが使う機材が重要であると同様に大切な事である。以下からは、あなたがスタートする際必要な、基本的な装備の概要を示していく。

・ヘッドフォン
あなたが自分の好きな音を録音する為には、しっかりとしたモニタリングヘッドフォンが必要になる。もし細かいレコーディングオペレーションをしているのならば、イヤーパッドタイプを使う必要があるだろう。もし、より手の込んだセッションをやっているのなら、スタジオ級のヘッドフォンが為になるかもしれない。
個人的には、Audio Technica ATH-M50のような密閉型スタジオヘッドフォンの快適なセットは、実際フィールド内の特定のサウンドをキャプチャーしようとしている、不要なノイズを遮断するために有用である。あなたは少なくても150ドルでヘッドフォンの良い音質を期待出来るのだ。

・マイクロフォン
フィールドレコーディングセッションの為に、あなたが選択するマイクの種類は、録音したい素材、予算、使用しているレコーダーの種類、使っているレコーディングの特定のメソッドなどの素材に応じて幅広く様々である。
Audiotuts+(ホームページの名前)はフィルムレコーディングやマイクロフォンの選択する上での、優れたチュートリアルがいくつか載っている。(film recording/ selecting a microphone)これらのチュートリアルは、どのように取り組んでいくかを決定する上で役に立つだろう。以下が役立つかもしれない、一般的なマイクロフォンの概要である。

1:ステレオマイクロフォン
これらのマイクロフォンは、様々な価格と形状がある。ステレオマイクロフォンには二つの別個の"ヘッド"というマイクロフォンが含まれており、それが一つのヘッドで囲まれている。これらが様々に変化し、バイノーラル、XY、ORTF、およびM-Sなどのレコーディングの方式として使用されている。価格帯は数百ドルから数千ドルの間である。

2:ショットガンマイクロフォン
ショットガンマイクロフォンは、特に距離で特定の音源を対象とする場合便利だ。これらのマイクロフォンは横と後ろの信号をより多くキャンセルする事で、指向性の強い録音が出来る。価格帯は数百ドルから数千ドルの間である。

3:単一指向性、無指向性マイクロフォン(Uni-directional Microphone,Omni-directional Microphone)
あなたはこのタイプのマイクロフォンにすでに慣れている事だろう。これらには、無指向性(Omni-directional )、単一指向性(cardioid)、 鋭指向性(hypercardioid)などが含まれている。
これらのタイプのマイクロフォンは、フィールドレコーディング機能で様々な目的で、ステレオ録音やHDR(High Dynamic Range)技術を使用する際のマイクロフォンのような、ペアを使用する場合に特に便利だ。価格帯は数百ドルから数千ドルの間である。

4:内蔵マイクロフォン
M-Audio、Edirol、Zoomなどが提供する多くのポータブル ‘セミプロ向け’ レコーダーは、オールインワンでマイクを立てる事が出来る
フィールドレコーディング製品である。これらのマイクロフォンはかなり良いクオリティで、ORTFまたはXYなどのステレオ方式などのフォームを使用している。フィールドレコーディングをこれから始める人には、大きい手間や扱いにくいユニットを使わず、これらは理想的な方法である。

・ウィンドスクリーン(風防)
フィールドレコーディングでは、風は良い録音をする為の最も困難な相手だ。
しかし、あなたが快くお金を出したり、もしくはクリエィティブになれば、風をブロックしたり取り除いたりする様々な方法がある。
ハイエンドでは、Rycoteのような会社が提供している特定のマイクタイプにおいて、吹かれの劇的な減少をもたらすハイクオリティなウィンドスクリーン。
ローエンドでは、ファブリックストア(記事などを売っている店)への外出や、自分自身でのノウハウ(DIY(Do it yourself) know-how)でワイヤーフレームを用いたものやファーのような物などの、申し分なく使いやすいウィンドスクリーンを作ることが出来る。
ほとんどのポータブルレコーダーには、スポンジのウィンドスクリーンがの何らかの形で付属している。価格帯は数百ドルから、もっと頑張って20ドル未満までである。

・レコーダー
最後になったが、ポータブルフィールドレコーダーの価格と機能は幅広い。ローエンドの、Zoom、Edirol、M-Audioからのユニットは、安価で良質のステレオフィールドレコーディングに最適のツールだ。ハイエンドでFostex、SONY、Sound Devices、およびZaxcomからのユニットは、より柔軟で(再生に)忠実であり、マルチトラックレコーディングとコンバーター、プリアンプと変換などを提供している。価格帯は200ドルから数千ドルの間である。


ステップ3:プリレコーディングのヒント
生のテクニックでの観点から見れば、フィールドレコーディングはスタジオのレコーディングとたいして違わない。しかし、あなたのミックス(すなわち、現実世界との干渉)によるカオス(混沌)の要素が加わるので(ここは上手く訳せない!)、初めてのフィールドトリップの前に、あなたが特にいくつか心に留めておく必要がある。ここで心に留めておくべき、いくつかのヒントを紹介する。

・天候
理想的なフィールドレコーディングの条件は、あなたが録音しようとしている音源に大きく左右されるが、ほとんどの状況では暖かく、乾燥した日で低風なのが理想的である。
もし、あなたが極端な暑さや寒さの中で録音する状況の場合、自身の録音機材や自分自身に注意を払う必要がある。あなたが気を使うのは雨のような天候の音を録音で、そのような要素(雨など)から機材を守る事を意識しておくのだ。直射日光に長時間さらされる事、雨や雪に長時間濡れる事は、録音機材にとって良くないのだ!

・時間の管理
理想的な条件下でも、フィールドレコーディングには時間が掛かる。多くの場合、それはあなたが思っているよりさらに多くの時間を費やすだろう。旅行、セットアップ、録音、レビューを何度も繰り返し、そして成功、とかなりの時間を費やすことを覚悟しなければならない。
そして、あなたは移動(歩きおよび乗り物)、天候や自然の共同作業である事、そして予想しなかった機材の誤作動(不調)といった事も頭に入れておけば、全て予定に組み込む事が出来る。

・バッテリー(電池)のプランニング
機材が電池で動く場合、予備の電池、すぐ充電出来る機器を持っていかなければならない。あなたは機材を入れているバッグと一緒に、いつも予備の電池を入れておくのだ。
あなたは電池を交換する事を気にしたり、車に取りに戻ったり、店に買いに行ったりという、音を録音するのに全く関係の無い事は必要無いのである。

・セルフケア(自己管理)
信じるかどうかは別にして、フィールドレコーディングはとても大変な活動だ。あなたはお菓子、水、食事でさえ事前に計画する必要がある。もしあなたの脳や身体が100%機能しなくなったならば、ハイエンドな機材を用いても良い判断は下せないだろう。

・動きやすさ
あなたが最初のフィールドレコーディングに出発する前、自身の持ち物の出しやすさをテストしてみるべきだ。どんな状況下でもヘッドフォン、レコーダー、ウィンドスクリーン(風防)、マイクロフォン、マイクスタンド、ケーブル、バッテリーなどをスムーズに取り出せるだろうか。ケーブルを巻き、きちんとし、バッテリーを扱いやすいようにして、 一番使いやすいよう整理して欲しい。

・目標の設定
これは明らかに見えるかもしれないが、フィールドレコーディングの目標が何であるかを正確に知る事は重要である。
自身の目的地を知るのだ、もしあなたが旅行しているなら、緊急事態で誰に連絡を取ったらいいかを知るのだ((事前の)準備やその他の方法で)、戻りたい明確なイメージを持つのだ。
これはあなたが必要な素材を得る確信には十分だろう。


ステップ4:フィールドでの一日
今やあなたは見違えるようで、予習をし、そして前もって注意を払ったプランを持っている、フィールドへ旅立つ時だ。
ここでは典型的なレコーディングセッションはどのようなものか分析していこう。

・トランスポート
あなたはロケーションへ出発し、録音する目的地まで向かう。

・偵察
目的地に到着したら、機材をセットする一番良い場所を決定する為、辺りを偵察する。時としてあなたは録音中、モバイルレコーディング(ハンディレコーダーなどの移動可能な録音機材)の移動をするかもしれない。その場合はあなたの軌道(録音場所を決める位置)を確立する為に、エリアのリハーサルを行ったほうが良いだろう。

・チェック条件
偵察の一環として、あなたは状況をチェックしたほうが良いだろう。どんな天気か?雨が降らないか?そこは湿気があったり猛暑日ではないか?周囲に人が多いか?道に迷った野良犬でさえも、あなたの録音(もしくは機材)の妨げになるだろう。あなたの周囲に対して意識を向ける事は重要であり、そうする事で状況の変化に迅速に対応出来るのだ。加えて機材のセットアップにも役立つだろう。

・セットアップ
次にあなたは全ての機材を設定し、電源を入れ、そして動作確認を行う。また、(もしあれば)バックアップの電源や機材を動作可能の状態にしておいた方が良いだろう。状況に応じて、手元にwind and weatherscreens (天候予測機器の事と思われる)があると良い。

・セッティングレベル
最初の本番テイク前のセッティングレベルは、レベル調節の練習を少ししておいた方が良い。様々な距離で少しづつ録音し、録音したい音のインプットレベルを見積もっていく(調節していく)。
古い格言“GARBAGE IN, GARBAGE OUT(ゴミを入れればゴミが出てくる、つまりナンセンスなデータからはナンセンスな結果しか出てこない、という意味)”を覚えておくのだ。もしあなたの録音がとても静かに始まったら、あなたがスタジオに戻った時、ボリュームを上げなければならず、とてもやかましい音になってしまうだろう。
同様に録音が大きすぎる場合ならば、クリッピングの危険性があり、もし最先端の機材だったとしても、一日を無駄にするかもしれない。

・録音!
あなたは全ての流れをを実行した、機材の準備も完了した、今こそ録音をする時だ。辛抱強く、あなたが録りたい音が多く録音出来るまで時間を掛ける。二回目のフィールドトリップで初めて録音した音以外の音を録音していくよりも、多くのレコーディングを苦労して行う方が簡単である。

・ノートをつける
素晴らしいサウンドデザイナーとコンポーサーになる一つの鍵は、良い司書(librarian)になる事である。はっきりとした個々のテイクはもちろんの事、いつ、どこで、どのような機材で、といった内容を含めたレコーディングセッションのメモをする事だ。
これらはあなたの持ち場で、時間の生産性を高めるのに役立ち、将来のフィールドセッションのための学習ツールとして機能するだろう。

・楽しむ!
最後になったが、楽しむ事!録音やサウンドキャプチャーは楽しい、エキサイティングで、驚く事もある。あなたがキャプチャーした最も素晴らしい音源の中には、少なくともあなたが期待したものが録れているだろう。驚かない準備をし、そして素晴らしい素材は今後の試みでの大きな糧となるだろう!

・結び
パート2では、私が最近録音したオーディオサンプルを含めて、フィールドレコーディングセッションを見てみよう。
スタジオに戻り、これらの音源を向上させる為のテクニックを確認していく。
__

※MEMO
単一指向性より指向特性を鋭くしたもの
狭指向性→鋭指向性→超指向性=supercardioid→hypercardioid→ultracardioid

“GARBAGE IN, GARBAGE OUT“ →略して“GIGO“ コンピュータサイエンスの分野において用いられる表現で「ゴミを入れればゴミが出てくる」、つまりナンセンスなデータからはナンセンスな結果しか出てこない、という意味の格言。

機材の動きやすさについて、メモをとる事の必要性を改めて感じた。早急に実践に移したい。

[ Links ]
Field Recording of Beginner’s Guide Pt 2:フィールドレコーディングのビギナーズガイド パート2
Field Recording, A Beginner’s Guide (Pt 1)
A Beginner’s Guide to Field Recording, Pt 1
Audio Technica ATH-M50
film recording
selecting a microphone
Rycote

No comments:

Post a Comment