May 1, 2011
Sound Design of El Orfanato:永遠のこどもたちのサウンドデザイン
DESIGNING SOUNDより永遠のこどもたちに関するサウンドデザインの記事を読んだのでアウトプットしていきます。
今回の元記事はこちら
“The Orphanage” – Exclusive Interview with Sound Designer Oriol Tarragó
Sound DesignerはOriol Tarragoさん。
以下自身による記事翻訳
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元々ディレクターのJuan Antonio Bayonaとは大学の友人で、彼のプロジェクトに参加しており、そして今回の企画でもためらわず台本を見せてくれた。
スケジュールは2006年11月に始まりプリプロダクションに6か月、ファイナルカットは2006年11月より以前に始まっており、ミキシングが終了したのは2007年の4月。
その中で5週間はサウンドデザインする音としない音の選別、フォーリー素材の作成とセリフのミックスに2週間、
ADR(Additional Dialogue Replacement)や特別なレコーディングにもう2週間。編集とサウンドデザインに2ヶ月、さらに全ての音を一度当てはめて全体を聴いて音楽の修正に1週間、プリミックスに3週間、ファイナルミックスに約1週間。
今回の映画では音を強調させる必要があり、家族が所有していた文明から切り離された古い家に週末行ってみると、そこは風がなく、静かで霧のある冬の日で多くの素材をレコーディング出来た。
stereo Schoeps microphone、MacBook Pro、M-Box ProとPro Toolsを使用し、様々な位置から足音、ドアを勢い良く閉める音、ガラスの窓を開け閉めする音を録音した。特に家の中にある階段の音は後々フォーリーの足音と混ぜ、床のきしみを得るために使用した。
他には除霊の儀式の時に使用する子供達の声。これにはADR(Additional Dialogue Replacement)、子役、子役の身内、そして友達を集め、恐ろしい悲鳴を録ろうと本当に長い時間を費やした。ホラーゲームを子供たちと一緒に行ったりもし、録音に5日かけたのだが、多くの笑い声や無駄な素材も録れてしまった。
ある日気味の悪い音を作ろうとスタジオに自分を隔離し、制作に励んだ。見えない友達のTomásの息遣いを口に水を含みながら作った。息をつまらせるような高いピッチの素材と、やや動物的な、低いピッチの脅かすような素材の二つが欲しかったのだが、そんな時スクリーンライターのSergioが子供の頃から喘息持ちだと言う。そこで彼の呼吸を録音し、息を吸う音に使い、他の音を息を吐く音に利用した。
初の長編映画だったJuan Antonio Bayonaからは以下のようなアイディア(要求)があった。
一つは家の音は古い木のような摩耗した音で特徴づける事。これは繰り返し強調して言っていた事だった。そして彼は空想的な音にしたくはないとも言っていた。反対に霊界と非霊界に二分させるために、全ての音は現実世界にあり得る音素材をとの事だった。彼はいつも現実にあり得る恐ろしい音を要求していたのだ。
私は“The Devil’s Backbone”のサウンド編集をしている時にGuillermo del Toroに会った。彼は全面的に私とJuan Antonio Bayonaを信頼してくれた。そしてthe Cannes Film Festival 2007で映画を観た時、とても音が重要なものだと意識している彼に私とJ.A.は改めて感謝した。そして彼は我々にミキシングさせてくれる機会を与えてくれた。
どのようにシーンをアプローチするか、これが一番難しかった。例えば霊媒師のシーンではまだ現実的な内容なので、サウンドデザインは現実的なイメージと幽霊の声を同時に維持しなければいけない。矛盾が生じとても難しかった、視覚的なアプローチがある時はとても助かった。
そこで霊的な音源には古い機器を通して聴こえるような音を使った。古く現実的な霊的な音。
そしてモノ素材でセンターチャンネルのみから聴こえるようにする事で、空想的な音にせずに表現することに成功した。
家に特徴をつける。これを行うために映画の早い段階で床のきしみや悲しげな音を鳴らすことで、観客に現実感を与え、リアルな音として印象づけた。しかしLauraが子供を探す段階になると客観的に、第六感が働き、床のきしみや悲しげな音が誇張して聴こえるようになり、終盤になると、ますますその音が誇張されていくようにした。
普段は静かだが、急に強いジャンプをするなどで大きな音を入れることで、それらのアクションがさらに強調されるよう意識して行なっていた。
この映画では静けさがとても重要な要素になっている。私は静かで下向きになっていく、そして現実的から空想的に移り変わっていくサウンドデザインを心がけた。最初家のアンビエンスは豊富だった、陽気なくらいに。しかしSimónが行方不明になると、どんどんそれらのアンビエンスが静かになる。彼女の孤独さと絶望さを象徴するかのように。そしてラストSimónを見つけると映画は再び音が強調される、そんな使い方をした。
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[ Links ]
“The Orphanage” – Exclusive Interview with Sound Designer Oriol Tarragó
Oriol Tarragó
Juan Antonio Bayona
Guillermo del Toro
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